1988年作品。
この時代の倉本和人監督作品は、
ベッドで抱き合う男女を頭側から撮るのが上手かったと思う。
上から写すのではなく、ほぼ水平にして遠近で女の体の立体感を出す。
そんなの今でもあるじゃないかと言われそうだが、
男優の体をなるべく女優から遠ざけるノウハウが確立されている現在とは
画面の雰囲気がちょっと違う。
冴島奈緒は体を魅せる術を心得ていて、
背中を浮かし、肩を動かし、のけぞるようにして武器である胸を強調する。
20:00以降の太賀とのカラミの導入部は美しい。
わざとベッドの外に頭を出し、喉を晒すのは彼女の演技か監督の指示だろうか。
アリスの倉本監督の作品はどれも保存状態が良く、
画質で他社ヴィンテージAVは及ばない。
冴島奈緒は故人になってしまったけど、美しい肉体は永遠に残った。
ガスプさん
2017-09-01時代だな~
若いころよくお世話になった冴島さん。
ガンで急逝されたそうですね。残念です。
このころの作品はお芝居仕立てが多い。
ただセックスするのではなく、からみも含めてしっかり演技をする。
なので、疑似本番が基本。彼女も現役時代、本番は一切しなかったという。
それだけに演出や脚本、カメラワークなど、映像作品としてのクオリティの高さが求められ、作りて手の才能と情熱が試された。
こうした中から名作と呼ばれる作品も生まている。
本作もそうしたうちの一作。
本番していないのに、こんなにエロくできる。
女優の見事な演技力、監督以下制作陣のスタッフワークのたまのだろう。
ビジュアルのいい人気女優をキャスティングしたら、あとは男優に任せて一本出来上がり、みたいなお手軽AVを量産する現在のAVメーカーに見習ってほしい作品である。
とはいえ、お金を払って観る価値があるかどうかというと別問題。
ちゃんとした本番は一回きりで、全体として非常に短く、演出もすでに古い。
70年代ごろに流行った和製バイオレンス風の物語設定も、いまになって観るとダサダサ感が否めない。
冴島奈緒の本当の魅力を知るためには、他の作品をお勧めである。