引退作というとその女優さんを記憶に残すために派手な演出をする印象があるが、本作はそういうのはない。チャーミングな笑顔が似合う、ジメジメせずあっけらかんとした神野ひなさんがとても活かされた作品になっている。多くの引退作に携わってきたタイガー小堺監督が、神野ひなさんの良さをわかっていてこのような作品になったんだと想像する。
最初の30分は定石のインタビュー。○○○だった話、本当は○○だった話などそんな話までしちゃっていいの?という興味津々の内容。そして10年後には?・・・と期待させる発言まで飛び出す。
最初の絡みは今更初対面という神野ひなさんが会いたかった男優さんと。ガチのセッ〇スを楽しんでいる感じがなんとも良い。
次の絡み、事実上これが最後の絡みだが、神野ひなさんの脳内に渦巻いていた妄想を監督が味付けをして具現化させたピンク映画のようなエロ楽しいものになっている。
ひなさんが日頃の鬱憤をぶちまける衝(笑)撃的エンディングもおもしろい。
最後まで見る人を明るく飽きさせないようにエロさとエンターテインメント性をうまい塩梅で作られていて、神野ひなさんのファンだった人もそうでない人もエロく楽しく見ることができるいい作品。
この作品とほぼ同時に発売されたのがあおいれなの引退作です。
どうしてもこの二つを比べてしまいます。
お気に入り数や話題性の開きではなくて、同じメーカーで同じ監督が同時期に発売したものなのにクオリティの差が歴然なんです。
それでこの時期被りはあまりに酷です。
予算のかけられ方が売れ線と一般作で違うのは仕方ありません。
お金がかかってるから凄いとか低予算だから凄くないとかじゃないんです。
時間がかけられてるから面白いとか、短時間で撮られたから面白くないとかじゃないんです。
女優自身の意欲と熱意の差を一番感じてしまうのですね。
嘘のない内容で最後までファンに楽しみを届けるために過酷な撮影に挑んだあおいれな。
気になってた男優と最後にエッチしたいと中出し風作品で締めくくった神野ひな。
ファンの為に全力投球で作られたドキュメンタリーAVと、自分の記念碑として作られた内輪ノリのおふざけが満載のエロ動画の違いですよね。
面白い物を届けたいそんなファンへの想い、引退まで支えてもらった感謝、それを少しでも作品で返したい誠意の差が映像からすごく伝わってしまうのですね。
この作品には挑戦がありませんし新しい企画もありません。
だからマニアックなファン以外には響いてないんだと思います。
世間に届いた渾身のAVとオタサーの上映会。
そんな差を感じてしまうのですね。
タイガー監督は当たり外れが大きい監督です。
その分かりやすい例でもありました。
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かぴ社長さん
2022-06-18ひなさんの引退作
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