本作DVD BOXは団鬼六とアタッカーズのコラボレーション全6作品を5枚のDVDに収めたもので、全作品が薄モザイクの良好な品質のまま鑑賞できることが貴重で嬉しい。ただし、元の作品のエンドロールがすべてカットされ、出演者リストの字幕の背景の映像に含まれたかも知れないその後の展開を示唆するエピローグが確認出来なくなったことは惜しい。特に不便なのは元のチャプターメニューが消されたこと。その代りに5分間隔のチャプターマーク間でスキップすることだけ可能。
作品毎の特徴を以下に示す。詳細にコメント可能な作品について、各作品ページのユーザーレビューに既に投稿済または今後投稿予定。
(1)屋根裏の恋(149分)☆5
本作は波多野結衣の完璧な容姿と演技力で綴られ、彼女の緊縛された肉体の美しさが愉しめる作品である。主人公はアパートの隣に住む若い工員で、本作は彼の儚い恋物語になっているが、結末はちょっと猟奇的である。
(2)花と狼 (143分)☆3
小唄と三味線の師匠、浪路の家に用心棒を兼ねて下宿することとなった大学生、宮田の淡い恋愛体験談と、宮田が知る術もなく浪路がSM奴○地獄に堕ちて行く経緯が描かれる。ただし、映像的には時代錯誤が強く感じられる。
(3)白い女獣(95分)☆5
SM雑誌編集者、鳥井が主人公。小宮美千代からSM小説執筆の約束を取り付けたが大手の出版社に横取りされる。鳥井は彼女を誘き出して監禁、拘束、SM調教を重ね、彼女が執筆を始めた後も彼女の希望で鳥井との関係が続く。
(4)華やかな狂宴(145分)☆2
本作は若手で邪悪な男、小山純一(演:吉野篤史)主体で進行し、同性でも胸糞悪くなり感情移入できないストーリー展開。作中の性描写が素晴らしかっただけに、高評価が付けられないことが大変惜しい。
(5)銀幕の転落(116分半)≪廃盤≫☆4
大手映画会社で万年ヒラ営業部員の男達2人が逆恨み。今や看板女優となった新婚の星島百合子を誘拐、監禁し、緊縛レ○プを繰り返して性奴○に堕とし、最後は百合子の痴態を夫に見せつけ、相次いで拳銃自殺する。
(6)被虐の毒花(116分半)☆4
元女優が経営してきた銀座のクラブが経営難に陥り、店を売るため質の悪い情夫に仲介させる話を聞いたバーテンダーが、店のホステス2人と共謀してママを拉致監禁、レズ調教とSM調教を繰り返して性奴○に堕とす。
6作品がカット無しで収録されているのでコスパは良い。 団鬼六の作品を貫くのは女性の羞恥心を表現する事であり、その道具として「縛り」がある。 羞恥心が、ある時点から悦楽に変化するのだが、その辺りを映像で表現するのは難しい。 特にAVになるとエロチックなものからグロテスクなものへと軸が動いてしまうので、活字で得られる興奮と同じレベルを得ようと期待するのには無理がある。 第四作の「華やかな狂宴」で、かすみ果穂が主演しているが、若し鬼六先生が生前に彼女に出会っていたらもっと創作意欲が湧いたであろう。 健康そのものの谷ナオミよりも薄幸な影を宿すかすみ果穂の方が鬼六作品には向いている。 6作品にはそれぞれ売れっ子のAV女優を主演させているが、監督がそれぞれの作品をどの程度理解しているかが成否の分かれ目になる。 「華やかな狂宴」がまだましな方かな、と思う。
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スケベじじさん
2022-05-03飯岡かなこさんの作品が一番でした
どの女優さんも素晴らしいのですが、中でも飯岡かなこさんの演技が一番作品の雰囲気にあってました。あと、かすみさんもいい味を出していますが、ストーリーがもう少し単純だと、もっとかすみさんの良さが出たのに、と感じました。